大判例

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東京高等裁判所 昭和35年(う)385号 判決

被告人 山本善見 外二名

〔抄 録〕

K弁護人控訴趣意の六、及び七、並びにT弁護人控訴趣意第四点について、

たばこ専売法第七五条第一項所定の物件を他に譲り渡したときは、その譲受人から右物件を没収する場合においても、その譲渡人からは、右物件の価格を追徴しなければならないと解すべきであるが故に、右物件が甲から乙、乙から丙にと順次譲り渡され甲、乙、丙共に起訴せられた場合においては、丙の手に存する右物件を没収する外、甲及び乙からそれぞれ譲り渡した物件の価額を追徴すべきである。(昭和三三年四月一七日最高裁判所決定参照)本件についてこれをみるに、被告人趙は被告人菅洞に対して原判示第三のごとく日本専売公社製造のたばこ「いこい」合計五万五千六百十個を販売し、被告人菅洞は被告人山本に対して原判示第二のごとく右たばこ同数量を販売したことが明らかであるから、原判決がたばこ専売法第七五条第一項を適用して被告人山本からは被告人菅洞から譲り受けた右たばこのうちその手に現存する物件を没収し、他に販売した分についてはその価格を同人から追徴した外、菅洞及び趙の両被告人から各前示譲り渡したたばこ合計五万五千六百十個の公定価格(一個金五十円の割合)金二百七十八万五百円を追徴したことを目して法令の適用を誤つたとか、事実誤認にもとづいて不当な算定をしたものであるとか、同一の物件につき三重に追徴の言渡をしたのは違法であるとして非難するのは当らないというべきである。なお所論引用の大審院及び大阪高等裁判所の各判決はいずれも本件に適切ではない。であるからK及びT両弁護人の前掲所論はいずれも採用することはできない。

(尾後貫 堀真 堀義)

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